レジェンドストーリー

- お客様と作る感動の物語 -

STORY.58

2015年下半期レジェンドストーリー特別賞I.T

対象ストーリー
2015年下半期 平成27年9月度 ASA東伏見

その日は、あらかじめ朝日新聞のお試し読みをしていただいているお客様を訪問し、ご購読のご案内をする仕事の日でした。

あるお宅を訪問した時の話です。
インターフォンを押すと、間髪入れずに『俺はジャイアンツファンだから朝日はいらないよ!』と元気よく断られ、インターフォンを切られてしまいました。
おためし期間中のお客様でしたので、「せめてお礼の粗品くらいはお渡ししたかったな」と思っていると玄関の扉が開き男性が出てきたので、すかさず粗品をお渡ししようとすると、『ここは俺の家でもないし、ここの主人ではない』と一言いうと庭に出て植木を切り始めました。するとまた玄関が開き違う男性が出てきたので今度こそと思い、粗品をお渡ししようとすると『んっ?いやここは俺んちじゃないよ』といい、庭に出て草むしりを始めました。すると、間髪入れずに再び玄関の扉が開くと、また一人男性が現れたのです。先に草むしりをしていた男性二人が『あれがここの主人だよ』と教えてくれたのでお試し読みのお礼をいい、粗品を手渡すと、半ば強引に自分も手伝わせてください!と草むしりを始めました。まだ夏真っ盛りでしたので5分も経たないうちに全身汗だくになってしまいました。僕の姿を見て男性の一人が『いや~助かるよ、一人でも多い方が早く終わるから』と言うと、もう一人の男性が『でもこんなところで時間をつぶさない方がいいよ』といいます。その言葉に僕は少し不安になり『どれくらい手入れするんですか』と聞いてみました。すると、この家のご主人が空を指さし『あの木がなくなって空が見えるくらい』と言いました。すると今度は口々に『なんとか夕方までには終わらそう』と言います。

そこからは、一人がハシゴにのぼり木を切り、ひとりが枝を細かく切り集め、一人がそれを束ねてひもで結びついでに草むしり。ご主人は高齢のため指示役のような形になり黙々と作業をしていました。
いくらやっても終わらず、手伝うといった手前途中で投げ出すわけにもいかず、ただ全く終わる気配もないまま時間だけが過ぎていきました。
作業開始から二時間くらいが経過した頃でしょうか、『一休みしよう!』とご主人が言いました。そしてそのころには、ご主人以外の二人の男性とも仲良くなっていました。休憩中、『あと3時間で終わりそうだ』と話しているのを横目に僕は内心『このままここでいい汗かいておいしいお茶を飲んで一服している場合じゃないぞ!』と焦りを感じ始めていました。

そのときです、僕の携帯に一本の電話が入りました。それは、徳主任でした。

途中経過を確認するための電話だったのですが、僕はとっさにその場を離れ事情を説明しました。すると徳主任は『よし!わかった!』とだけ言い電話を切ると、10分後には頭にタオルを巻いた徳主任と村上君が忙しい仕事の合間にもかかわらず庭先に立っていたのです。

そこから作業は電光石火で終わり、ついには一緒に作業をしていた二人の男性からも『ここまでやってもらったらとらないわけにはいかないだろ~』との言葉をいただき、それを聞いた「読売新聞の大固定」「根っからのジャイアンツファン」のご主人は満面の笑顔で契約をしてくれたのです。

僕にとってこの暑い夏の経験は、一件の契約をいただく大変さと、困ったときに力を貸してくれるチームの偉大さ、そして、ありがたさを知った、貴重な一件のご契約となりました。