レジェンドストーリー

- お客様と作る感動の物語 -

STORY.21

2011年下半期レジェンドストーリー金賞T・N

対象ストーリー
2011年下半期 平成23年5月度 ASA田無

その日の朝、実家に帰省している奥さんから電話があり、目が覚めました。
朝7:30の電話で、何があったのかと電話に出てみると『破水した!!』と言われました。しかし、聞いてみると破水したのは少しだけらしく、調べてみると初期破水といって生まれるまでに2日くらいかかる場合もあると書いてあったので、とりあえず様子見ようと思い仕事に出る事にしました。そう、うちの奥さんのおなかには子供がいて、今にも生まれそうな状態だったのです。
それでも、現場についてからは、いつもどおり普通に仕事をしていましたが、やはり気になるので、一時間置きくらいに奥さんに連絡をしていました。とりあえず何も変化がなく15時くらいまで連絡していたのですが、16時の電話から急に連絡が取れなくなったので、奥さんの方のお母さんに連絡をしてみました。だけど、お母さんも電話に出ず、どうしていいか分からないのでとりあえず軒並み訪問を続けていました。そして、17時くらいにあるお宅を訪問しました。インターフォンを押すと、家の中から、おばあさんが出てきました。その瞬間に僕は、ある記憶が脳裏をよぎりました。そして、その記憶はやがて形となり、その時の情景が鮮明に思い出されました。そう、忘れもしない、前回訪問したときに一時間くらいお話をした末に、成約に至らなかったお宅だったのです。僕は一瞬『前にあれだけ話しているし、時間の無駄かな』と思い、『早々に切り上げて次のお宅に行ったほうがよいかな』と思ったのですが、もう一度挑戦してみようと思い、気を取り直して話を始めました。しかし、日経新聞のお客様なのですが、やはり非常に頑固な方でなかなか興味を持っていただけません。一時間くらいたち、奥さんの事もあり電話も気になっていたので、さすがに新聞の契約はあきらめようと思い、玄関を出ようとしたのですが、人生の先輩でもあるこの方に、破水の事について聞いてみようと思い、今日一日のことを全て話しました。おばあさんは、僕の話をとても真剣に聞いてくれ、色々とアドバイスを頂きました。それから少しして、おばあさんと話をしている最中に電話が鳴り始めました。しかし、話の腰を折るわけにもいかずなかなか電話に出るタイミングがありません。一度切れてもまた鳴り始めるのでこれはただ事ではないと思い、おばあさんに『すみません、お話の途中に申し訳ないのですが、電話に出てもよろしいですか』とことわると、おばあさんは『早くでなさい、なにかあったのかもしれないわよ』と言ってくれたので、電話を取り出すと、着信は奥さんのお母さんからでした。僕は、あわてて電話に出て『もしもし』というと『18:23頼斗君生まれたよ!!』と報告がありました。僕はすごくうれしくて、お客様の前である事すら忘れて『本当ですか!!』と思わず叫んでしまいました。すると、おばあさんも一緒になって喜んでくれ、奥の部屋にいた娘さんも出てこられて、二人で拍手してくれています。電話を切ったあと、3人で喜んでいると、おばあさんが最後にこういってくれました。
『あんた、こんなところにいる場合じゃないでしょ、早く帰って息子の顔を見に行ってあげなさい、私がご祝儀で3ヶ月だけ取ってあげるから』

僕にとって、この3ヶ月契約は、この先の将来ずっと忘れる事のない、温かい、大切な思い出となりました。