ASA雪ヶ谷での話です。
その日はカミナリが夕方から鳴りますと天気予報で言っていたので、早うちに決着をつけなければと意気込んで仕事に取り掛かりました。
あるお宅を訪問したときです。おばあちゃんが出てきてくれて、世間話をしていると、そのおばあちゃんもカミナリが嫌いで『私は栃木県出身で昔からカミナリが嫌いなのよ』とおっしゃいます。僕は『おばあちゃん、夕方からカミナリが鳴るそうなので、僕も早く切り上げたいですし、なんとか朝日新聞をお願いします』というと、『うーんじゃあいいわよ』と、話がまとまりました。
20:30になり販売店に戻ると、さきほどのおばあちゃんのお宅から、キャンセルの電話が入っているとの事です。僕は思い当たる節も全くなく『いったいどうしてだろう』とめまいがしてきました。
僕は、さきほどのお宅にサービス品を受け取りに行く事になりました。
満面の笑みでそのお宅に伺うと、キャンセルのお電話を頂いた娘さんが出てこられて『ごめんなさいね、おばあちゃん軽いんだけど少しぼけてるのよ』とおっしゃいます。僕はキャンセルの理由が分かり『そうだったのか』と納得して『そうでしたか、知らなかったとはいえ本当にご迷惑をおかけしました』と深々とお辞儀をすると、その娘さんが『こんな状況なのにあなた、態度がいいわね、わかった、読売が10月まで入るからそのあとなら私がとってあげる』と言ってくれたのです。僕は予期せぬ出来事に飛び上がりたい気持ちを抑えながら『ありがとうございます』とお辞儀をし、ご契約を再度頂く事が出来ました。
僕は、いいときだけではなく、状況に左右される事なく、常に営業のプロとしての自覚とプライドを忘れずに仕事と向き合う事の大切さをあらためて実感するとともに、ただ、ただ感謝しきりで、そのお宅をあとにしました。