その日、私は販売店に着くといつものように営業を開始しました。
とある団地を訪問したときの話です。私がチャイムを鳴らすと中から奥様が出てこられました。お話をお伺いすると、読売新聞を長く読んでいるとの事で、ご主人に相談しないと決めることが出来ないとおっしゃいます。
しかし私は『まずは目の前のこのお客様に集中しよう』と思い、様々な話題から何とか会話の糸口をつかもうと試みていました。
その中で『鹿児島から出てきた新人で有村敏弘と言います。』ととっさに自己紹介をしました。するとその瞬間、奥様の表情が一瞬変わったのです。私が知っている名前ですか?』とお聞きすると『親戚で宮崎に有村敏ヒコ』という私と一文字違いの子がいるということでした。私は『それは光栄です、これも何かのご縁なので、よろしくお願いします。』とありったけの力を込めて改めてお願いしてみました。
するとなんと奥様は『主人が19時過ぎに帰ってくるから、その頃来たら朝日取れるようにしといてあげる。』とおっしゃってくださったのです。
そして19時過ぎ。再度そのお宅を訪問してみると、今度はご主人が出てこられました。ご主人は私の顔を見るなり、珍しそうに顔とセールス証をまじまじと見比べながら『しょうがねえなぁ、絶対読売しか取らないつもりだったけど顔も少し似てるし、しょうがねぇか』と言いながら仕方なさそうに読売新聞のご契約の後6ヶ月間のご契約を頂くことができました。
私が違う名前だったらきっと、、、、 という何とも幸運な一件でした。