レジェンドストーリー

- お客様と作る感動の物語 -

STORY.75

2017年下半期レジェンドストーリー銅賞A.K

対象ストーリー
2017年下半期 平成29年12月度 ASA

その日は、12月度一年の最後の月で、目標からも遅れていましたので、絶対に3件はやろうと心に決め、仕事に臨んだ一日でした。

販売店につくといつものように軒並み訪問を開始しました。

紆余曲折ありましたが、何とか20時までに2件のご契約をいただくことができたのですが、目標の3件にはあと1件です。

僕は、焦る気持ちを抑えられず、訪問するペースを上げていきます。
そんな時です、以前に朝日新聞を購読したことがあるというお客様に出会いました。僕が『朝日新聞はいかがでしたでしょうか?』と聞くと、『新聞は嫌いじゃないが、新聞屋は大嫌いだ!』と厳しい一言。
詳しくお聞きすると、前回の契約は二人がかりで土下座され、サービス品も山ほど置いていったから、仕方なく、もう二度ととらないという約束で契約をしたとのことでした。

僕は一生懸命そのお客様にお話しさせていただいたのですが、『だからもう朝日は二度ととらない!』の一点張りで全く相手にしていただくことができません。

前回もしつこい営業を受けてそれで契約したものの、二度ととらないとおっしゃっているお客様です。これ以上やると、僕も同じになってしまうし、逆効果でしかないな、と思い、何とかいい印象を最後に残し、そのお宅を出ようとしたその時です、そのお客様のお宅にたくさんの大きな荷物が届いたのです。そこは団地の3階で、エレベーターもありません。業者の方もとても大変そうでしたので、あまり深く考えず荷物を上げるのを手伝いました。そして、荷物も運び終わり、そのお客様に一言ご挨拶をして帰ろうとすると、『兄ちゃん、若いのになかなかいいやつだな』『今まで来た新聞屋とは全然違うな』と言ってくださいました。

そして、先ほどとは打って変わって何とも優し気な眼差しで、満面の笑みを浮かべながら『負けたよ、あんたみたいのが来たんなら仕方ねぇ、一生朝日とってやるよ!』と言ってくださったのです。

僕は、今までにそんなお言葉をいただいた事がありませんでしたので、感激し、うれしくて仕方がありませんでした。

しかし、前回のようなサービス品はお渡しできないなと思い、僕が『大変申し上げにくいのですが、先ほどおっしゃっていただいたようなサービス品を、今回は差し上げることができないのです』と言うとご主人は『いいよそんなの、サービス品はあんたの心だろ!』
とおっしゃっていただき、快くご契約をいただくことができました。

僕はこの一件のご契約をとおし、前回どうであったとか、そんな先入観をもって営業することよりも、目の前の一人ひとりのお客様と正面から向き合えば、僕の時はまた違った答えになる事もあるということを学ぶとともに、お客様が本当に必要としているサービスや真心を提供できないとき、物品などでしかお客様に報いることができなくなってしまうのではないかということを考えさせられ、また、そんな考えにふれることができた、その日3件目のご契約となりました。