レジェンドストーリー

- お客様と作る感動の物語 -

STORY.39

2013年下半期レジェスト審議会特別賞M.Y

対象ストーリー
2013年下半期

ASA東伏見での話です。
その日もいつものように軒並み訪問を開始し、ある一軒のお宅にさしかかった時の事です。私がインターフォンを押し、訪問の目的を告げると「はーい、お待ちください」と、そのお客様はとても感じよく対応していただきました。私は少し面食らい「もしかして、朝日新聞を現在購読中のお客様では。。。」などと考えていると、奥様が出てこられ、「朝日新聞さんは度々来てくれるんだけど、理由があって取ることができないの」とのことでした。私が理由をお聞きすると、以前は長年朝日新聞を読んでいたが、ご主人が数年前に亡くなられ、それ以来長女ご夫婦のお世話になり、長女宅で生活をされているため、新聞のことには口出しできないとのことで、しかも、娘さんのご主人は大の朝日嫌いだとのことです。奥様は、亡くなられたご主人が読まれていた朝日新聞を今でも読みたいが、娘さんのご主人の手前、言えないとの事です。
しばらく世間話などをしていたそのとき、ふと見ると奥様の肩に「蚊」が止まっているではありませんか、その「蚊」は今まさに、その至福のときを迎えようとしていたのです。私は、「あっ!蚊だ!」といい、「動かないでください!」といい、間一髪その「蚊」を取って差し上げました。
そのことで一気に打ち解けると、話が盛り上がり、奥様の一存で少しの期間ならご契約いただけると言う事になりました。わたしが「ヤッター!」と心の中でガッツポーズをとり、契約書を出そうとしゃがんだその時、、、
「何してるの?」と奥から娘さんの登場です。娘さんは今までのやり取りなどお構いなしに「朝日新聞?あーうち読売とってるからいらないから」
と一刀両断。私の心が音を立てて崩れ落ちそうになったその時!
「私、、、前からずっと、朝日新聞が読みたかったの。。。」と奥様が声を振り絞っておっしゃいました。しばしの沈黙と静寂がその場を支配していきます。奥様は「お父さんが読んでいた新聞だしね。。」と続けておっしゃいます。すると娘さんが、「そうだったんだあ」と奥様になんとも優しく微笑みながらおっしゃいました。
先ほどとは打って変わって、とても穏やかな思いやりや、温かさが、その場を包み込んでいきます。

私はご契約を終えると、本日のお礼を言い、深々とお辞儀をし、そのお宅を後にしました。

あの時、娘さんもまた亡くなられたお父さんを思い出していたのかもしれません、お母さんの気持ちを知ったこと、気持ちに気づけなかったこと、さまざまな気持ちが折り重なった「そうだったんだ」という言葉の重みをかみ締めるとともに、とても暖かい気持ちにさせていただきました。ありがとうございました。