レジェンドストーリー

- お客様と作る感動の物語 -

STORY.101

2021年上半期レジェンドストーリー金賞Y・K

対象ストーリー
2021年度上半期

この日は、一軒家を軒並み訪問し、3件の御契約を頂く。そう強く思ってスタートした1日でした。
1件づつ訪問していると過去に朝日新聞を読まれていたというお客様に出会いました。70代ぐらいの奥様で「今は読売をとっているんだけど、もう生活が厳しくて辞めようと思ってる」そうおっしゃいます。少し話し込んでいると玄関の奥にあるトイレにご主人様が入っていきました。すかさず元気にご挨拶をしたのですが何も答えてくださらず、、、
すると奥様は私の顔を見ながら首を横に振りこういいます「実は主人、重度の認知症なの」そう教えていただきました。
そのため、生活のお世話が大変で、病院代もかかるし新聞も読んでいられないとの事です。
それを聞いた私は自分の父もまったく同じ病気で苦労していた母のことを思い出し、奥様の気持ちが痛いほど理解できました。
新聞のことなど一切忘れご主人様を少しだけ読んでいただきご挨拶させてもらいました。
私は子供に話しかけるようにこう言います「ご主人様、いつもありがとうございます。これからも元気でいてくださいね!」するとご主人は「うん」と子供のような笑顔を見せてくれました。
ご主人が奥の部屋に戻られた後、奥様に「奥様、今は本当に、本当に大変だと思います。僕も母を見てきたのでお気持ちはすごくわかります。イライラしたり、心配したり、悩んだり、苦しいこともいっぱいあると思いますが父が亡くなった時に母が言っていました。最後は本当に大変だった分、今は本当に寂しい、寂しい、、、そして元気だった時のこともこんなことがあったからたくさん思い出すのと、、、」そうお話しすると疲れていた奥様の表情が笑顔になり、少し元気を取り戻してくれたようでした。
その笑顔を見た私は心が温かくなりました。
その後「頑張ってください」と一言伝え深くお辞儀をし次のお宅に向かおうと入ってきた門を閉めました。
すると玄関からガチャと音がしました。
振り向くと奥様が私の名前を呼びます「安中さん!ありがとう!子供たちも言ってくれない言葉をかけてくれてありがとう!」何度も何度もそう言っていただきます。
そして「本当にありがとう!長くは取れないけど6か月とるよ!」
思ってもみなかった展開でしたが私もお礼を言い、契約書を書いていただきました。そして最後に一言奥様にこう伝えました。「奥様、約束が1つあります。」奥様はえっなに?という顔「元気でいてください!ずーっと!」

私の営業人生の中で心が温まる忘れられないお客様になりました。