レジェンドストーリー

- お客様と作る感動の物語 -

STORY.113

2022年下半期レジェンドストーリー銀賞R・E

対象ストーリー
2022年下半期 令和4年8月度 ASA釜利谷

ASA釜利谷に入店した時のお話です。

この日は1週間のお試し読みをしてくださったお客様のお宅を訪問する日で、入店が終わるとすぐに営業を開始しました。

何となくここから始めようと思ったお宅があり、到着すると早速インターホンを押します。

すると玄関のドアが開き中から年配の奥様が出てこられました。

私が自己紹介をすると奥様はこう言ってきました「私がいなかったら普段誰も出てこないからね、どうしたの」

どうやらこのご家庭は大家族のようで家には誰かしらいるのですがインターホンが鳴ってもほとんど誰も相手にしてくれないそうなのです。

私は「お試し読みしていただいてありがとうございました。今日で配達終了だったのでお礼でお伺いしました。」そう奥様に伝えると急にインターホンから男性の声で「新聞いらねえ!」と怒鳴り声が聞こえてきました。どうやらご主人のようです。

すると奥様は少し慌てている様子で「ちょっとお兄さんこっちおいで」と庭の方へ案内され、そこで小さな声でこう言ってきました「うちの家族全員新聞読まないからお金ないけど私が小遣いでとってあげるわ」あまりに突然で驚いたのですが同時にうれしくて私はすぐに「ありがとうございます!」とお辞儀をし、契約書を取り出そうとしたその瞬間、このお宅に別のお客さんが訪問してきました。

するとまた玄関のインターホンから大きな声で「新聞いらねーって言ってんだろ!しつけーな!」さっきと同じ怒鳴り声が聞こえてきました。

どうやら訪問してきたのは別の新聞屋さんだったみたいでその様子を見ていた奥様は私にこう話してくれました。

「あの子いつもうちに来てくれる子なの。でも新聞はみんな読まないから断っているの。すごい好青年でいい子だからかわいそうなんだけどね。普段私がいないからインターホンで怒鳴られているみたい。だから私はあなたを助けてあげたいの。どのくらい契約したらいい?」

奥様がお小遣いでとってくれるという理由がわかりました。

断られていた別の新聞屋さんには申し訳ないと思いながらも私は奥様の優しさに甘え「6か月頂けたら助かります。」そういうと「6か月ね!わかったわ!」私は再度お辞儀をし、お礼を述べ、サービスは何がいいですかと尋ねると「大家族だからお米が助かるわ」そうおっしゃったのですぐにお米を買いに行きました。

近くのスーパーでお米を仕入れ、急いでお宅へ戻ります。時間は30分ぐらいが経過していました。

再びインターホンを押すと今度はインターホン越しで奥様が対応してくださったので私は「お米をもってきました!」と伝えると奥様は「ごめん、ちょっと中に来れる、、、」さっきと違い声のトーンが低く感じます。

嫌な予感を感じながら中へ入ると待っていたのは奥様だけではなく、なんとぱっと見ただけで10人以上はいるそのお宅の家族が集結しているのです。

私はびっくりして固まってしまいました。

息子さんと思われる方が私にこう言ってきました「お兄さん、うちはいつも新聞を断っているんだよ頑張っているのはわかるんだけどさ、、、お母さんが優しいからとるって言ってくれたのかもしれないけどうちはとらないからそのお米は受け取れない」

それを聞いて私は考えました。「やはりこの契約は私ではなくさっき来た新聞屋さんが毎日通ったからこそ奥様は心動かされたんだな、、、そこにたまたまタイミングよく私が現れて頂いた御契約です。そううまくいくはずがありません。ここからは自分の手でご契約を頂かないと!」

そう思った私は目の前の10人を相手に無我夢中でお願いをしました。

何度も頭を下げ、一生懸命に自分の気持ちを伝えました。

そうするとさっきまでダメだと言っていた息子さんが口を開きました。

「ちょっと家族で話すから外でまっててくれる」

もしかしたらチャンスを頂けるのか、そう思い私は外で待つことにしました。

しかし30分経っても全く呼ばれません。40分、50分、時間だけが経過していきます。不安で不安で仕方ありません。

そしてついに1時間が経過、、、、ようやくインターホンから私を呼ぶ声が聞こえました「お兄さん中に入ってきて」

私は恐る恐るドアを開け中に入ると先程の息子さんがこう言ってきました

「お兄さん、やっぱり申し訳ないけどこれ以上家族と話し合いはしたくないから帰ってもらっていいかな、、、」

私はさすがに「しょうがない、こんなに話し合っていただい家族同士喧嘩になってしまっては申し訳ない」そう思い深くお辞儀をじ、「わかりました!ご迷惑をおかけし申し訳ございませんでした。」そう言って振り向き、玄関のドアをそっと開け、外に出ると再び深くお辞儀をし、ゆっくりとドアを閉めて立ち去りました。

「終わったなー」お米を買いに行きさらに1時間待ってご契約に至らなかった、、、仕方のないことなのですが受け止めるには少し時間がかかります。

そう思いながらとぼとぼ歩いていると後ろから「お兄さん!」と聞こえたので振り向くとそこには30代くらいの男性が立っていました。

するとその男性は「さっき2階で話を聞いていたんだけどかわいそうだな、俺も営業しているから気持ちわかるよ。新聞は読まないけど家族には何とか言って俺がとってあげるからもう帰りな、疲れたでしょ!3ヶ月ぐらいかなって思ったけどこんなに暑い中汗だくで頑張っている君の姿を見て6か月とってあげることにしたよ」そういってくれました。

もうだめっだと思ったそのあとだったのでうれしくて仕方ありませんでした。

私は「ありがとうございます!」と深くお辞儀をし6か月のご契約を頂くことができたのです。

 

始めに頂いた奥様からのご契約が上手くいっていればお米を持ってきた時点で終わっていました。時間効率もよくその日はもっと多くのお客様とお話しできていたかもしれません。しかしそれでは契約以外何も得るものがなかったと思います。

自分の力でご契約を頂くということや最後まであきらめないということそのほかにもたくさん、6か月のご契約以上に色々なことを事を学んだ1日となりました。