レジェンドストーリー

- お客様と作る感動の物語 -

STORY.114

2022年下半期レジェンドストーリー金賞K・K

対象ストーリー
2022年下半期 令和4年8月度 ASA中目黒

この日は1週間のお試し読みをしてくださったお宅に訪問をする日で支店メンバー全員で同じお店に入店し8件の御契約を頂くまで帰らないという目標を決めて挑んでいました。

私はすぐに訪問するお客様のリストを地図に落とし込み出発しました。

しかし訪問したお宅のほとんどが留守でやっと出会えたお客様にも相手にしてもらえず時間だけが過ぎていきました。

気が付くともう16時。面談できたのはたったの1人、、、

不安が頭をよぎります。

目標のことを考えると足を止めるわけにはいきません。

私は次のお宅へと急ぎ自転車を走らせ、「今度はいてください」と強く念じながらインターホンを押しました。すると男性の声で応答がありました。

私は「お試し読み頂きましてありがとうございました。朝日新聞の久保です」と言うと「ちょっとまってて」と言いインターホンが切れ、少しすると子犬を抱えた男性が出てきました。どうやらこの家のご主人のようです。

私は元気よく90度のお辞儀で「お忙しいところありがとうございます!」というとご主人が「そんな仰々しくしなくていいよ、どうしたんだよ」と少し笑いながら返してくれました。やさしそうな雰囲気のご主人です。

今日1日全くと言ってお客様とのお話が出来ておらず、やっとの思いで出会えたやさしそうなご主人「ここしかない」と思い、それからはあまり覚えていませんがどんな思いで訪問しているか、どれだけお試し読みをしてくださったことに感謝しているかなどを無我夢中で伝えていました。恐らく5分ぐらいはノンストップでしゃべり続けていたと思います。

私はふと我に返り、ご主人の顔をみると圧倒されたのか苦笑いで「ちょっと犬中に入れてくるね」と言い、一度部屋に戻り再び出てきてくれました。

改めてお話をしているとご主人がこう言います「確かに久しぶりに朝日新聞読んでみてよかったよ!ただ日経新聞読んでいるからとってあげることが出来ないんだよね」実は私が入社して今まで、日経新聞を読んでいるお客様から御契約を頂いた経験がありません。いつもの私であれば弱気になり、形勢逆転され、恐らくその場を後にしていました。しかし今日は違います。みんなで目指す目標があります。ここで諦めるわけにはいかないと思った私は思い切って自分の気持ちをご主人に伝え続けました。

しかしご主人の心を動かすまでにはいたらず話は平行線のまま頭を下げていると奥の部屋から奥様らしき人物が出てきました。

明らかに話に参加しに来た事は雰囲気でわかりました。

通常このパターンは話を聞いてくれていた奥様が心打たれて味方してくれる、もしくは「新聞読まないから帰って!」と一括されるかのどちらかです。

残念ながら後者でした、、、

「読まないから帰って!」想像以上に大きな声で怒鳴ってきたのでさすがにこれ以上はまずい、、、私は再度頭を下げ謝ります。

一瞬で熱が冷め「これ以上ここにいるとご迷惑をおかけしてしまう」そう思った私はご主人にも謝罪し、その場を後にしようとしました、、、

しかしその時です「お前は何を言っているんだ!彼の話も聞かないで一方的な言い方をして!」今度はご主人が奥様に向かって言ったのです。

そしてご主人は再び私に話しかけてくれてこうおっしゃいました。

「失礼なことしてごめんね、俺がとってやるから来月から配って」

そう言って1年間の御契約を頂きました。

 

いつもの私なら絶対に諦めていました。この日はみんなで立てた目標があり、諦めなかったからこそご主人様は心動かされ味方してくれたんだと思います。

そもそも気持ちが伝わっていなければ子犬を抱えて出てきたところで断られていました。

ご主人様に助けていただいた御契約ではありますが、改めて営業というのはトークや技術では表せない何か気持ちのようなものが大事なんだな、そう感じさせてもらった1件でした。