レジェンドストーリー

- お客様と作る感動の物語 -

STORY.118

2023年度レジェンドストーリー銀賞

対象ストーリー
2023年度 令和5年11月度 ASA日野

ASA日野に入店していた時のお話です。

この日は北海道の懸賞キャンペーンにご応募いただいたお客様に品物を届け一緒に朝日新聞を勧めるという営業をしていました。

件数が何件もあるわけではないので軒並み訪問をしながら北海道のお客様のところに伺うようにしていたのですがどのお宅もいらっしゃらず、ほとんどお話できていません。

気が付けばもう夕方でした。

区域の一部分をある程度訪問し終えたのでもう一度留守だった懸賞のお客様のところへと向かいました。

目的のお宅へと到着しインターホンを押すと60代ぐらいのご主人が出てこられました。

どうやら早い時間は出かけていたみたいで帰ってきたようです。

私はまず挨拶をしてからお品物を渡し朝日新聞のお話をさせていただいたのですがご主人は全く無関心な様子で「朝日新聞はいらない。」とおっしゃいます。

どうしてか理由を聞くと日経新聞を何十年も取っていてそれ以外の新聞を取ったことがないとのことでした。

一生懸命お願いし取っていただこうとしたのですがご主人は全く聞く耳をもってくれません。全力でお願いして全く動じないご主人に心折れ、さすがに諦めようと思いました。

しかしちょうど奥様が買い物から戻ってこられました。

ご主人は奥様に「見たいテレビがあるからあとはお前が対応しとけ」さらに「絶対に朝日新聞はとるんじゃないぞ」そう言って奥へ入っていきました。

私はダメだと思いながらも引き継いで対応してくださった奥様にもう一度初めからお話をさせていただき再度お願いをしました。

奥様は「若いのに頑張っているけど取るのは難しいかな、、、」そうおっしゃいます。

しかし先程のご主人よりも私のことを気にかけてくださっている様子。諦めずもう少しお話してみようと思いました。

それから少しするとこちらのお宅にお客様が尋ねてきたようです。

振り返るとそこには読売新聞の配達をしている方が立っています。どうやらこの地域の日経新聞は読売の販売店が配っているようでちょうど集金に来たのです。

そして私に向かって話しかけてきました。「何しているんですか」

私は正直に「朝日新聞を取っていただけるようにお願いしていました」そう答えます。

すると横から奥様が「そうねえ、日経新聞はやめられないから私のお小遣いで3ヶ月だけ取ってあげようとおもっているの」そうおっしゃいました。

突然の言葉にビックリしたのですが反射的に私は「ありがとうございます!」と奥様に頭を下げました。

ですが今度は集金の方が奥様にこう言います「何で朝日とるんですか?朝日とるんだったら読売取ってくださいよ。朝日より読売の方が安いですしサービスも頑張るんでお願いします。」そう言って横やりを入れてきました。

この瞬間頭の中に嫌な記憶が思い浮かびます。

過去に何度もこのパターンを経験し、その度に追い返されご契約に至らなかったのです。

ここから再度お願いすると読売の方から何か言われるだろうし奥様も困らせてしまいます。内心ダメかなと思っていたその時、奥様が読売の方にこう反論しました。「読売さんには日経新聞で何十年もお世話になっていてすごく感謝しているけどこの子若いのに頑張ってずっとお願いをしていてそれに感動して自分で朝日を取るんだからそこにいちいちケチをつけないでほしい」と私の味方になってくださったのです。

そしてそのまま契約してくださり日経新聞と併読で3ヶ月のご契約を頂くことができました。

 

初めのご主人でダメだと思って引き返していたら奥様と出会うことはありませんでした。

ダメだと思っても何とか引き下がらず粘った結果奥様と出会えました。

そしてその熱意のままお話をしたから奥様は私の味方をしてくれたのだと思います。

新聞の営業を初めてもう何年も経ちましたが改めて熱意をもってお客様と接する大切さを思い出させてもらった一日となりました。